関西ゼネラル支部が発足
11月18日、学働館で関西ユニオンと連帯ユニオン関西クラフト支部の統合大会を開催し、連帯ユニオン関西ゼネラル支部が発足しました。統合の目的は、職種別・業種別での労働組合組織化への着手であり、今はまだ150人程度の組合ですが、今後3年程度で組合員の倍増を目指しています。
◆様々なハードルを越え◆
今回の統合に向け、それぞれの組合内および組合相互で約2年間にわたって協議と調整を行ってきました。
連帯ユニオン関西クラフト支部では、財政基盤が脆弱で専従役員が置けないなどの理由で組織が伸び悩んでいるという事情がありました。一方、関西ユニオンでは、実態は個別労使紛争の解決に終始し、労働運動としてはほとんど展開できていないという課題を抱えていました。
こうしたなかで、双方の組合の弱点を克服していくことを目的に統合の話を進め、①駆け込み寺・個別労使紛争解決型から集団的労使関係の構築のために努力すること、②集団的労使関係を個別企業内で構築するのではなく、業種別職種別に構築していく努力をすることなどを統合後の目標に設定することとしました。こうした議論の上に、統合が実現したのです。
時あたかも、関西地区生コン支部への弾圧が吹き荒れている最中の統合となりました。組合員のなかにも不安に思っていた人がいたことは否定できません。しかし、労働運動は本質的に資本・権力との闘いであり、当然、権力弾圧も覚悟しなければなりません。関西ユニオンの側としては、そうした覚悟もないまま曖昧に統合するのではなく、闘う労働運動を目指すこと、そのためには腹をくくらなければならないことがあることを組合員に対して目に見える形で示して選択を迫ることができたのは、逆に良かったのではないかと思います。
統合大会では、執行部から弾圧をはね返して組合員を倍増する決意を表明し全体で共有しました。
◆産別運動を目指し◆
統合大会で決定された活動方針を以下要約する形で紹介します。
組織体制としては、①複数の専従体制の構築、②団体交渉を担当できる執行委員の育成、③新入組合員学習会の複数回実施と参加の義務化、④新入組合員学習会において職場活動と内部拡大を学習する、⑤要求事項に組合員の労働条件に加え組合活動の権利(組合掲示板や組合休暇など)を盛り込む、⑥分会を結成し、職場の組合活動を強化する、⑦分会は内部拡大を目指し執行部と対策会議を持つ、⑧業種別職種別会議を定期開催する、としました。
そして、こうした組織体制の下、春闘を軸として組合員の労働条件向上に取り組むこと。とりわけ「労働契約法20条」、「改正パート労働法8条、9条」を武器とした非正規社員の均等待遇の実現や、定年再雇用後の労働条件獲得に力を入れること。「無期雇用の申入れ」とその後の労働条件引上げに取り組むこと。障がい者や外国人労働者などの社会的弱者の要求を取り上げること。集団的労使関係の構築に向けて業界団体との交渉権の確立を目指すことなどを確認しました。
また、権利侵害や弾圧に対しては断固として反撃していくことも確認しました。
そして、こうした取り組みと、学習活動や情宣活動の強化を通じて、組織拡大を図ること、具体的には「分会は、1分会組織する。役員は、組合員2人を獲得する。組合員は、組合員1人を獲得する」との方針を確認しました。
◆共闘団体から祝福の声◆
大会後、祝賀会を開催しました。服部元衆議院議員や戸田門真市議、森博行弁護士のほか、全港湾大阪支部や港合同、ユニオンおおさか、きょうとユニオン、なかまユニオン、北大阪合同労組、関西合同労組からも駆けつけていただきました。もちろん、身内ともいえる連帯ユニオン各支部と管理職ユニオン・関西からも大勢参加いただきました。
統合は出発点であって、これからが正念場です。執行部一同、方針の実現に邁進していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
≪ 通信/関西ゼネラル支部書記長 大橋直人 ≫
【 くさり12月号より 】